鉋(かんな)をかけると、沢山の鉋屑(かんなくず)がでます。
以前は処分していましたが、良い木材が少なくなって貴重になった今、捨てるに忍びなくて袋に入れて取っておくようになりました。
良い香りのする檜葉(ひば)と檜(ひのき)の鉋屑を取っておいていましたが、段々貯まってきました。
ふと思いつきました。これを断熱材がわりにしたらどうだろう・・・。
防音にもなるし・・・。
だいいち、檜や檜葉には防虫効果があります。
安眠効果もあり、リラックスできそうです。
天井裏に入れてみました。
①ガラ袋にいれておいた鉋屑を紙袋に移し、持ち上げやすいようにします。
②紙袋の鉋屑を天井裏に敷き詰めます。
③写真奥。天井裏に敷き詰めた鉋屑。
良い香りのする断熱材です。
もう一つ捨てるに忍びなかったのが古いピアノ。
子供のころの練習用のピアノです。
ピアノの蓋の内側にベルトーンと書かれています。
調べてみると、良い材料を使い、良い音のする、良い楽器をつくると言われていた日本のメーカー製造のものだということが分かりました。残念ですが、惜しまれながら廃業し、今はもう存在しない会社です。
「良いものから無くなっていく・・・。」と棟梁の独り言。
大手メーカーのピアノではないので直せるところも限られています。
黒鍵はプラスチックですが、白鍵は象牙、塗装は漆(うるし)。
随分迷ったのですが、修理できるところを探して、オーバーホールしてもらいました。
調律師さんの話によると、ピアノも当時のものの方が良い材料を使っているとか…。
プラスチックの黒鍵を黒檀(こくたん)に替え、漆(うるし)塗りの本体も磨いて、見違えるようにきれいになりました。
新品とは違う味わいがあります。
弾いてみると、重みがあり深く響くよい音です。
趣味がひとつできました。
(文章:小山幸子)