暑中お見舞い申し上げます。
久しぶりの投稿です。
六月の猛暑の後、天候不順で雨の多い日が続いていますが、如何お過ごしでしょうか。
亀屋の応接室と廊下の改修工事がほぼ完成しました。
自然素材にこだわり、本物にこだわり、時間をかけて丁寧に施工しました。
松の床
赤松と黒松の無垢の床板です。
近年見かけなくなってきましたが、巾の広い板で張りました。
厚みもあり、安定感があります。
床がどっしりすると安心出来ます。
格縁天井
檜葉(ひば)を手仕事で加工して格縁(ごうぶち)を造りました。
板は秋田杉です。木目が美しく見ていて飽きがきません。
土壁
壁は土壁です。仕上げは聚楽壁(じゅらくかべ)。
自然な風合いの色で、光のかげんによって緑がかって見えたり、落ち着いた趣きのある壁です。
近年は人工の樹脂で固める塗り壁材を使うことが一般的になりましたが、亀屋は昔ながらの自然素材にこだわり、左官職人が調合した本物の土の塗り壁材で塗りました。
全てを自然素材で塗った壁は調湿性や蓄熱性や防音性に優れ、本物の良さがあります。
樹脂で固める壁は安価で工期も短く丈夫ですが、調湿性、蓄熱性、防音性等、本物が持つ良さは損なわれてしまいます。
見た目は同じようでも、本物と人工樹脂のものは比較にならない別のものなのです。
木製建具
既存のサッシの窓に障子を設けました。洋室に障子も亀屋がお勧めするものの一つです。
障子からの柔らかな光は心を穏やかにしてくれます。
廊下との境には時代物の蔵戸。隣の部屋との境には硝子格子戸を入れました。
隣の部屋との境は硝子格子戸。
硝子を昭和初期の結霜硝子(けっそうがらす)に交換する予定です。
市松模様の蔵戸の色硝子。
照明と電気スイッチ
アンティークの照明と真鍮製のスイッチ。
廊下
床は赤松と黒松の無垢板張り。
壁は引き摺り仕上げの漆喰。
近江箪笥(おおみだんす)と秋田杉一枚板の漆塗り机、アンティークの椅子を入れました。
木の香る応接室です。