横須賀の家。築90余年の古民家再生工事です。
昨年12月に着工しました。
お施主様は若いご夫婦です。
古民家が大好きな奥様と、海で採った魚を水槽で飼育するのが趣味のご主人。お二人の新居です。
写真は台所を解体しているところ。
天井に張られた白いベニヤ板を剥がすと、黒い天井が出てきました。
建てた当初、台所は土間で、そこに竈(かまど)があり、竈の煙で真黒く煤(すす)けたのでしょう。
黒く煤けた天井。
解体で出た木切れ。
黒くすすけた部分と元々の木の色の差がはっきりしています。
余談ですが、長い年月、囲炉裏の煙で燻された煤竹(すすだけ)は、古くから茶室建築などに使われてきた希少価値の高い良材です。
竈も囲炉裏も生活の中から消えてしまった今、煤けた木切れも手に入りません。
丁寧に釘を抜いて、古いものが大好きなお施主様にお渡しすることにしました。