横須賀の築86年 木と土の家 修復工事
柱
四畳半と三畳半の傷んだ柱を取り替えました。
柱は檜(ひのき)の上小節(じょうこぶし)。
丈夫で防虫作用もある檜は、家の構造となる柱に最適です。
建築木材として良いとされているのは、檜、欅(けやき)黒松、杉、ひば、栂(つが)というところでしょうか。
用途に合わせて使い分けます。使う場所によっては、桜もよいでしょう。込み栓(こみせん)やしゃち栓など、栓には樫(かし)を使います。栓は、継手(つぎて)や仕口(しくち)など材木の接合部分を締め付けるために使う小さな木片のことです。樫(かし)は固いので栓(せん)には最適です。柔らかい木では栓の役目を果たしません。
建築にとって、どこに何の木を使うか、素材の吟味は重要です。適材適所に素材選びをすることで、家は丈夫で長持ちし、見た目も美しく落ち着いたものとなります。
檜(ひのき)は上等な建築木材として、古くから日本家屋に使われてきました。
節(ふし)の全くない無節(むぶし)とまではいきませんが、見た目が美しく落ち着くように節の小さな上小節(じょうこぶし)の柱にしました。
余談ですが、死に節(しにぶし)といって、枯れ枝の節がある柱はいただけません。「見た目が悪いし、落ち着かないね。」と棟梁の独り言です。
1、解体・撤去
傷んだ部分を撤去!
2、柱の刻み(加工)
穴掘り機で柱に加工を施しているところ。
穴があきました。
鑿(のみ)で刻みます。
鉋(かんな)かけ
鉋(かんな)をかけて美しい仕上がりになりました。
3、取付け準備
加工した柱
鉋屑(かんなくず)で手の汚れをふき取って!
よし!取付けです!
4、取付け
伸びている部分を枘(ほぞ)と言います。
枘(ほぞ)を穴に入れます。
寸法の確認。寸法は大事です。
柱が寸法通り納まりました。
三畳半の柱
三畳半は六本の柱を入れ替えました。
梁が傷んでいたので、梁を補強して取り付けました。
三畳半の柱も檜材(ひのきざい)です。
ところで、柱にあけた穴。この後、この穴に杉の板を通していきます。この板を貫(ぬき)と言います。
貫(ぬき)については次回のブログで!