東京郊外の家
近年、床の「重ね張り工法」が行われるようになりましたが、亀屋は昔ながらの「張り替え工法」です。
<張り替え工法と重ね張り工法の違い>
ー安心して心地よく暮らすためにー
床張り工事には、古い床を撤去して、下地の傷んでいる所を直したうえに床板を張る昔ながらの「張り替え工法」と、下地調整をしないで、古い床の上に床板を重ね張りする簡易的な「重ね張り工法」があります。
「張り替え工法」
下地とは、大引きや根太、束(つか)など床を支える部分のことです。下地は見えませんが、縁の下の力持ち。見えない所が大切です。しっかりした下地があって、床は初めて安全で安心なものになります。逆に下地がしっかりしていなければ、その上に張る床板をよいものに変えても、安心できる床にはなりません。
しっかり直した下地の上に床板を張り替えることで、床は強度も形も新築したようになり、安心して心地よく暮らすことができます。
「重ね張り工法」
古い床の上に床板を重ね張りするので、傷んでいる箇所があっても下地の状態は分かりません。安価で工期も短く、生活しながらの工事では利点もありますが、基本的には上張りのみの工事です。
また既存の床板の上に重ね張りするので、床高が高くなり、出入口等に支障がでることがあります。
築40年の東京郊外の家 張り替え工法で修繕した床
床張り替え工法
<工事工程>
1、既存の床の撤去
2、下地調整
3、断熱材を入れる
4、新しい床を張る
5、残材処理
既存の床の撤去
<床の構造>
太い方が大引き、細い方が根太。
大引きを支えているのが束。
床板の下の下地と言われる部分です。
下地調整
床板を撤去した後、下地調整をします。
大引きに根太をとめている釘が腐食していたので、新たにビス留めし、下地をしっかりと固定します。
下地がしっかりと固定されていないと、強度がなくなり、床鳴りしたり、床にたるみが出たり、床全体のしまりが無くなります。
ひどくなると、床がブカブカの状態になります。
全体の傷みが激しい場合は、大引き根太とも、新しく取り替えます。
根太が一部欠けて細くなっていたので、横に根太を添えて補強したところ。
断熱材工事
*断熱材はオプションです
お施主さんが住まいながらの工事なので、床を半分残しながらの工事です。
床板を張る
窓際から、床板を張り始めます。
壁際
<新しい床材を差し込みながら・・・>
新築の時は床を張った後、壁を造ります。それに対して、張り替えの時はその逆の工程になります。
壁を残したまま、床板を取り去ります。そこに新しい床板を差し込みながら張っていきます。これは高度な技術を要しますが、そうすることで、床高が張り替える前と同じ高さになり、新築した時と同じ形状を維持することができます。使いやすさも新築と同じです。
古い床板を取り除いたところ
新しい床板を差し込みながら張っていきます。