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床の話 その2 床板のいろいろ

無垢の板

原木を用途に合わせて製材した木材を無垢と言います。

丈夫で長持ちし、見た目も美しいです。

紫外線を吸収し、室内の湿度も微調整してくれます。

木は自らの水分調整をすることで、長い年月の間、強度を保つことができます。

このような働きをするので、木は呼吸をするとか、生きていると言われます。

 

木は材質により、様々な特徴を持ちます。

 

写真は前回のブログでご紹介した杉無垢材の床です。

杉は目に優しく、肌にも優しいです。

 

木自身が持つ温度が気候に左右されにくく、安定しているため、夏はひんやり、冬は温かく感じます。

 

ただ、柔らかいため、傷つきやすく、昔は床にはあまり使われてきませんでした。

 

この杉の床材は、板の表面を圧縮して固くし、床板が傷に強くなるよう加工しています。

 

加工の過程で、木の固いところはそのままに、柔らかいところがへこみ、凹凸ができます。それが足裏に心地よく感じ、見た目にも美しいです。

 

 



檜(ひのき) 縁甲板

檜は建築木材の中で最も優れているもの。

強度があり、固すぎず、柔らかすぎず、適度の弾力性を持っています。

水に強く、腐食しにくい。

防虫作用や安眠効力などの成分を含んでいます。


外国の木  チークと花梨(かりん)

近年外国の木が多く使われるようになりました。

柔らかい木、固い木、性質は様々。

チーク


花梨(かりん)



無垢材が人に優しく、丈夫で長持ちする理由

―接着剤について―

 

床板は大まかに言うと、無垢材、集成材、複合材の3っつに分けられます。

 

無垢材は一枚の木材です。無垢材が丈夫で長持ちするのは、貼り合わせていないからです。

腐食しない限り原型をとどめ、強度も保ちます。

木は材質によって違いがありますが、紫外線を吸収し、部屋の湿度を調節し、断熱効果や防虫効果もあります。

人に優しいと言われる所以です。

また、シックハウスにもなりません。

 

他方、集成材と複合材(ベニヤ板)は、接着剤で板を剥ぎ合わせたり、貼り合わせたりして、一枚の板にします。

接着剤には膠(にかわ)等、自然由来のものもありますが、近年使われているのは、化学物質の接着剤です。

この化学物質がシックハウスの主な原因となっています。

*有害な化学物質については、国で定めた基準があり、それをクリアーした製品には、フォースターと言われるマークが付けられています。ただ、基準をクリアーしたもので、無害という事ではありません。

 

集成材と複合材の違いはあり、一概に言えませんが、年月が経ち、接着剤の効力が少しづつ失われ、貼り合わせた面が剝がれてしまうと、狂いが生じ、強度が極端になくなります。

また、接着剤に覆われた木は、水分を調節する働きが失われ、使う箇所によっては、木は傷みやすく、耐用年数が半減します。

肌触り、見た目の美しさなど、木が持っているよさも失われます。

 


集成材

複数の無垢材を接着剤で剥ぎ合わせた板。

長所は狂いが生じにくく、強度があること。

写真はサンプルとして使用しているタモの集成材。

接着剤で剥ぎ合わせた部分が分離しています。

分離すると、狂いが生じ、強度も極端になくなります。

 

 


複合材(ベニヤ板)

薄い板を何層にも貼り合わせた板。一般には、ベニヤ板と言います。

ベニヤ板の表面に薄く加工した板や、木目を印刷した塩化ビニールや紙を貼り付けて、床板にします。

 様々な種類があり、特徴に違いはありますが、元となる板が複合材(ベニヤ板)なので、接着剤を多く使います。

 

突板フロアー

表面は樺桜(カバザクラ)の薄い板

木目調フロアー

表面は塩化ビニール