月日の経つのは早いもの。もう12月、今年もあと少しですね。師走の風が吹いています。
さて、ブログを始めることになりました。
忙しく動き回る棟梁の代わりに、ブログを担当することになりました。
親方がまだ若かった頃、まだ大工の駆け出しだった頃の話。トントンと釘を打って大工仕事をしていると、通りがかりの人に、「大工さん、いい音だしてるねえ。」と声を掛けられたそうです。
人の手で、鉋で削り、鋸で切り、玄翁で釘を打つ動作は、リズミカルで心地のよいものです。
時代は、この数十年の短い間に、随分と変わりました。
釘を一本一本手で打つなんて、悠長なことは言っていられません。
釘は、通称「鉄砲」と呼ばれる、釘打ちマシーンで、バンバンと大きな音を出して、打たれるようになりました。
今では、通りがかりの人や近所の人に「うるさーい!」と苦情を言われるようになりました。
新しいもの、より便利なもの、より安く、より早くできるもの、今までにはない変わったもの。
そういうものをひたすら追い求めた結果、確かに、一見、早くて、安くて、便利で、斬新になったように見えます。
でも、その一方、長い歴史の中で育まれてきた、大切なものを、沢山失いました。
古いものには、よいものが、ぎっしり詰まっています。
それは、家造りにも当てはまることです。
棟梁から教えてもらった、そんなよいものの話も織り交ぜながら、ブログを作っていこうと思います。
鉋(かんな) 鋸(のこぎり) 玄翁(げんのう)
親方が若いころ使っていた墨壺。鶴と亀の彫り物があります。
文責 小山幸子